N爺の藻岩山麓通信 |
昨年から「札幌都心にコミュニティ本屋さんを」という構想を考えています。略して「さっぽろコミホン構想」。
まだ字面だけの構想ですが、温かい反応をあちこちから頂戴しています。 どうも同じようなことを考えている方が少なくないようですね。 で、のんびりとアイデアを温めていましたら(それはそれでとても楽しいのですが)、2013年の夏の終わりにステージ4の食道がん患者になりました。人生の予定にないことでした。あまりのんびりしていられないなあ、と近々構想をキックオフする考えです。 こうしてパソコンの前に座っているのは熱も痛みもなく、気分のよいときです。そんな小康状態のときに少しずつでも市民のみなさんとおいしい知恵の泉を汲み、可能性をたぐり寄せたい。 みなさんのお考えや賛同を得て、札幌の都心に小さくても濃い、たのしい智の灯りをともしたい。 「さっぽろコミホン構想」に寄せるわたしの思いととりあえずの考えはこのようです。 (1)元気な本屋さんのない街はさみしい。 街の本屋さんは花屋さんや食堂、喫茶店のようにわたしたちの普段の暮らしを彩るいつもの仲間。その仲間に元気がないのは本が売れないからだ。人が本屋さんで以前のように本を買わなくなったからだ。パソコンやスマホで注文すれば吹雪のときでも本が届く便利さ、電脳社会のなかで、わたしたちは何か大切なものを失おうとしている。それは本のことに限られない。 (2)街に知的で気楽な“拠りどころ”があるといい。 読みたくなる本や気になる本に出会う。そこで語り合い、薦め合い、学び合い、育て合う。ときに笑い、泣き、怒ることも。本屋さんで“寄り合い”をするのは悪くない話だと思う。大きな道産材の円卓や長テーブルがひとつあれば何かと役に立つ。2次会は近くの飲食店で。街に人が集まり、流れていく。街の元気は循環する。市民の拠りどころになる本屋さんがあるといい。 (3)さっぽろコミホンの主な役割はおそらく3つ。 ①テーマによる書籍の特集。②特集テーマによるトークカフェ。③図書館、書店、市民運動等との連携。 テーマは無数、連携は無限。 (4)使命はNPO。経営は株式会社。 市民の出資・アイデアとご近所の企業メセナ、自発的パートナー(執事やボランティア)の参画がこれまでにない書店をつくり、支える。見通しはきびしいが、若い力を軸に元気な年寄りを含む札幌の知的経営資源を結集すれば必ずできる。 (5)立地は北1条〜大通〜狸小路界隈。 開設の時期と場所は都心部の再開発、リニューアル、市電ループ化など都心部の動きをにらんで。予想されるお客は目的来店客が大半だから路面店でなくていい。ご近所の金融機関・財団・企業、商店等のメセナ参加に期待。固定費をどれだけ抑えられるか・・・。 資料:トーハンコンサルティング『書店経営の実態 平成25年版』(2013.8)、高橋しん『あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。』(白泉社、2013.12)、企業メセナ協議会『メセナnote』(季刊) 参考:留萌市や浦河町の本屋さん誘致活動/電子書籍に関するサイト例〉マイナビブックス〉編集部 当面の連絡先:伏島信治(ふせじまのぶはる)* PCアドレス:waimo-dada@nifty.com *群馬県前橋市出身(65歳)。北大大学院農学研究科修士課程修了。たくぎん総合研究所研究員、札幌国際大学教授を経て、伏島プランニングオフィス代表。日本文化経済学会会員。北海道地域創造アトリエ(例:シアターZOO)選定委員会委員長、HTB放送番組審議会委員長、北海道文化審議会委員、札幌文化芸術円卓会議委員長などを歴任。
by waimo-dada
| 2014-01-11 20:18
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