N爺の藻岩山麓通信 |
昼すぎに札幌の元気なアートシーンめぐりに出かけた。
昨日、映画監督の早川渉さんらと市役所で札幌市文化芸術基本計画の骨子を練った際に、わたしは民間のすばらしい仕事ぶりを取りあげようと再提案した。しかし、このことは簡単ではない。文化関係者は札幌にもたくさんいるけれど、自身が関わっている分野以外に関心を寄せる方はけっして多いといえないからだ。 今日の最初で最大の目的は「小別沢クラフトマーケット2013」。宮の森から(昔はときどき幽霊が出たが今はほとんど出ないと聞く)トンネルをこえてしばらく下ると、手づくりの旗が呼んでいた。右折してすぐ現れた会場は木工・家具づくりのトップランナー高橋三太郎さんの仕事場だった。 すばらしいロケーション、会場で、優れた作品にふれられるのは出かけた人だけのもの。出品した作家は旧知の木工クラフト作家中井吹雪さん、新谷希さんほか、陶芸、金工・ガラスなど計8名。ゆっくりご覧になることをお薦めします。7月28日(日)まで(11:00~17:00)。 ついで発寒川をぐるっと回って円山のギャラリーRetaraへ。こちらは、1990年ごろの丸井今井デパートのカレンダーを展示して、もはやアーカイブとなった北海道のアーティストの仕事を一覧する仕組み。砂沢ビッキや杉山留美子さんなど亡くなった作家もいる。原画が保存されていれば宝の山だが、どうなんだろう。ギャラリーオーナーの吉田茂さんとギャラリートークをされた北村清彦さんに会ったら聞いてみよう。 さて、六花亭で季節限定(8/15まで)のみずみずしい水ようかん(@350)をドドドドッと買い占め、双子山の郵便局で山岳保険の保険料をしっかり振込み、ギャラリー門馬ANNEXに立ち寄って奥に進むと、あのいつも気持ちいいテラスの下で、なんと「シャボン玉自動発生装置」が稼働しているではないですか(写真の手前でのぞいているのは金属彫刻家の浅井忠さん)。手持ちのコンパクトカメラではとても映像にできないがシャボン玉が大きくてしっかりしているのは、特別のレシピによるものとか。若手建築家、やるじゃないですか。 このシャボン玉は「UN40〜40歳以下の北海道の建築家による建築以外の表現展」の出品作のひとつ。8月4日(日)まで(11:00~19:00)。 三太郎さんとも話したことだけど、美術、演劇、音楽といったファインアーツの枠のなかだけで札幌の文化芸術を語るのはつまらない。建築、家具、デザイン、クラフト、映画、文芸、漫画、アニメetc. わたしたちが暮らす札幌と北海道には楽しくて美しくて産業の一員でもある「アーツ」がしっかり根付こうとしている。 文化芸術を語ることは人生を語ることにほとんど等しい。 わたしが考える札幌のアーツセンターは、だから人生のように深くて広い。 あしたは何して遊ぼうか。
by waimo-dada
| 2013-07-26 22:22
| アートな日々
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