N爺の藻岩山麓通信 |
チッキひとつで北海道にやってきてまもなく45年になります。
少しがんばって家ふたつ、墓ふたつ持つプチブルになりましたが、いくらか思うところがあって家や墓地を整理して、15年前にいまの中古低層集合住宅に移り住みました。サイズ的には91㎡÷125㎡=0.728に減少、経済成長の尺度でいえば−27.2%もの下落。 これにともない事務所兼書斎のサイズは7.64㎡に。いくらはかっても4.6畳で、6畳にはなりません。 泣く泣く本を処分し、着ないものを生協主催の海外寄付に委ねました。 もともと母親譲りの始末屋でしたから小さく暮すのは得意ですが、本にはいまも苦しんでいます。 足と知恵を使って問題の解決に挑みます。探し求めたすき間用家具の本棚は、いつの間にか家人が暮らす居間の一部を侵略しています。広辞苑のとなりは地図帳などを横にして突っ込んでいるため落ちやすいので、無印良品で買ったアクリルの仕切り版で支えています。 ぬいぐるみの山羊のユキちゃんが占領しているのは集英社の国語辞典。この辞典は漢字辞典を兼ねるすぐれものです。 なぜユキちゃんががんばっているかといえば、家人の再侵入を防ぐ思いがあるからです。狭い家でどれだけ自分の空間を確保することができるかどうかは、ぬいぐるみさんも再動員する必死さ、懸命さによるのです。 着るものは買わないのが一番ですね。 ゆえに、買ったらずーっと着る。穴が開いても着る。 お気に入りのイッセイミヤケのロングコートは立てた襟を簡単にとめられるボタンが付いているので吹雪にも強くて、かれこれ20年近く着ています。いたんだ裏地は生地を替え、すり切れた袖は短くし、毛玉をとれば着られます。コートに添えたアクアスキュータムのマフラーはロンドンで買ってからそろそろ30年になります。 で、穴の開いた靴下も、かがんでもらえば立派に使えます。うれしそうにはいて出かけるのを家人はいやがりますが。 そうはいってもねえ、この豊かな時代。向田邦子さんのエッセイ集『無名仮名人名簿』に登場する、広告の紙で「洟をかむ」戦前のお母さんにはかないません。 向田さんは「母は、というより当時の日本の女は、もしかしたら、みなあのように節約(しまつ)だったのかも知れない。(後略)」と書いています。 ともあれシマツに暮して、それを理由に遊ぶ。山の道具を新調する。旅に出る。 そんな春が近づいています。フフフ・・・。
by waimo-dada
| 2013-03-16 01:25
| ライフスタイル
|
カテゴリ
以前の記事
2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 05月 2012年 04月 最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| |||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||