N爺の藻岩山麓通信


札幌・藻岩山麓を基地に旅するN爺のブログです(写真は原始ヶ原から富良野岳)
by waimo-dada

カテゴリ:仕事の周辺( 6 )

北海道うどんという夢

 年初めのささやかな夢です。
 「北海道うどん」をキックオフいたしましょう!
 話題のBグルメ路線を追うのではなく、地に足つけて、それこそ麦のように、ね。

 昨日、劇作家・演出家で俳優の斎藤歩さんとフェイスブックでこんな会話をしました。(ほぼ原文のまま)

斎藤歩 
 前橋の現場にはいる前に、関越自動車道のサービスエリアで、上州うどんを食べました。
とても美味しかったです。

伏島信治 
 前橋(赤城山麓の旧大胡町(おおごまち))出身のフセジマです。わたしは群馬の冬の郷土食「煮込みうどん(県北部では「お切り込みうどん」ともいう)」を北海道の滋味ゆたかな食材をたっぷり生かしたバージョンで発展させたいとずいぶん前から考えています。そのために「北海道うどん研究会」をキッフオフしたいのですが、もうその時間はないか・・・。前橋にいるなら原嶋屋(?)の焼きまんじゅうも喰ってください。農作業中のお休みに、子どものおやつにと大車輪だった香ばしい食べ物です。なにせ群馬は古くから2毛作の麦の県ですから。それと、残念ながら朔太郎記念館はありません。前橋文学館を訪ねてください。展示は充実しています。

斎藤
 伏島さん、北海道の米を扱った「西線11条のアリア」、北海道の蕎麦粉を扱った「秋のソナチネ」、北海道の春ニシンを扱った「春の夜想曲」、北海道の豆を扱った「霜月小夜曲」、北海道の蟹を扱った「蟹と彼女と隣の日本人」など、北海道産食材演劇の次なる題材は「小麦」だと考えておりました。実際私は「うどん」をよく打ちます。函館のお祭りで函館の人たちが私のうどん屋台を用意してくれたこともありました。「秋のソナチネ」で蕎麦打ちをやった時も、実はうどんにしようか蕎麦にしようかかなり悩みました。
 江別産の小麦をベースに北海道オリジナルの新しいうどんを展望する作品を考察中です。やることだらけで優先順位が後回しになり続けていますが、次の私の新作は間違いなく「道産小麦」の話になると思っています。今のところの課題は「出汁」です。

伏島
 夏場はつけ麺、冬場は煮込みうどん、持ち帰りOK、というシンプルな路線があるかも。もちろん、食材等には産地表示をきちんとつけて、北海道が誇る麦文化を担う。
  「北海道の麦」は磯田憲一さんや和田由美さんたちといっしょにつくった『北加伊道カルタ』でも取りあげています。
 読み札は、「まっすぐに 伸びる麦穂も日本一」。
 江別製粉のS間常務とは長い知り合いです。
by waimo-dada | 2014-01-13 19:30 | 仕事の周辺

さっぽろコミホン構想 〜はじめてのご案内

 昨年から「札幌都心にコミュニティ本屋さんを」という構想を考えています。略して「さっぽろコミホン構想」。
 まだ字面だけの構想ですが、温かい反応をあちこちから頂戴しています。
 どうも同じようなことを考えている方が少なくないようですね。

 で、のんびりとアイデアを温めていましたら(それはそれでとても楽しいのですが)、2013年の夏の終わりにステージ4の食道がん患者になりました。人生の予定にないことでした。あまりのんびりしていられないなあ、と近々構想をキックオフする考えです。
 こうしてパソコンの前に座っているのは熱も痛みもなく、気分のよいときです。そんな小康状態のときに少しずつでも市民のみなさんとおいしい知恵の泉を汲み、可能性をたぐり寄せたい。
 みなさんのお考えや賛同を得て、札幌の都心に小さくても濃い、たのしい智の灯りをともしたい。
 「さっぽろコミホン構想」に寄せるわたしの思いととりあえずの考えはこのようです。                                    
(1)元気な本屋さんのない街はさみしい。
 街の本屋さんは花屋さんや食堂、喫茶店のようにわたしたちの普段の暮らしを彩るいつもの仲間。その仲間に元気がないのは本が売れないからだ。人が本屋さんで以前のように本を買わなくなったからだ。パソコンやスマホで注文すれば吹雪のときでも本が届く便利さ、電脳社会のなかで、わたしたちは何か大切なものを失おうとしている。それは本のことに限られない。

(2)街に知的で気楽な“拠りどころ”があるといい。
 読みたくなる本や気になる本に出会う。そこで語り合い、薦め合い、学び合い、育て合う。ときに笑い、泣き、怒ることも。本屋さんで“寄り合い”をするのは悪くない話だと思う。大きな道産材の円卓や長テーブルがひとつあれば何かと役に立つ。2次会は近くの飲食店で。街に人が集まり、流れていく。街の元気は循環する。市民の拠りどころになる本屋さんがあるといい。

(3)さっぽろコミホンの主な役割はおそらく3つ。
 ①テーマによる書籍の特集。②特集テーマによるトークカフェ。③図書館、書店、市民運動等との連携。
  テーマは無数、連携は無限。

(4)使命はNPO。経営は株式会社。
 市民の出資・アイデアとご近所の企業メセナ、自発的パートナー(執事やボランティア)の参画がこれまでにない書店をつくり、支える。見通しはきびしいが、若い力を軸に元気な年寄りを含む札幌の知的経営資源を結集すれば必ずできる。

(5)立地は北1条〜大通〜狸小路界隈。
 開設の時期と場所は都心部の再開発、リニューアル、市電ループ化など都心部の動きをにらんで。予想されるお客は目的来店客が大半だから路面店でなくていい。ご近所の金融機関・財団・企業、商店等のメセナ参加に期待。固定費をどれだけ抑えられるか・・・。

資料:トーハンコンサルティング『書店経営の実態 平成25年版』(2013.8)、高橋しん『あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。』(白泉社、2013.12)、企業メセナ協議会『メセナnote』(季刊)
参考:留萌市や浦河町の本屋さん誘致活動/電子書籍に関するサイト例〉マイナビブックス〉編集部
当面の連絡先:伏島信治(ふせじまのぶはる)*  PCアドレス:waimo-dada@nifty.com
 *群馬県前橋市出身(65歳)。北大大学院農学研究科修士課程修了。たくぎん総合研究所研究員、札幌国際大学教授を経て、伏島プランニングオフィス代表。日本文化経済学会会員。北海道地域創造アトリエ(例:シアターZOO)選定委員会委員長、HTB放送番組審議会委員長、北海道文化審議会委員、札幌文化芸術円卓会議委員長などを歴任。

 
by waimo-dada | 2014-01-11 20:18 | 仕事の周辺

うまいそば屋さん、教えてください

 うまいそば屋さんを教えてください。

 わたしはグルメではない。たまにうまいそばを喰いたいと思う、ごく普通のおっさんだ。でも、なかなかいい店に出会えない。
 住まう札幌市中央区にもいいそば屋さんはあるのだろうが、円山界隈のA家もSo庵もSa庵も9条通りのI水庵もプリンスホテル近くのS屋も、名は知られているが「また来よう」ではなかった。
 1店だけ残った。古祁庵(こきあん。南7西25)。量は少ないがうまい(88歳の義母にはぴったり)。

 墓参に行く南区のそば屋さん某は国道沿いにあって立ち寄りやすい。味はまずまず。
 今年は前から気になっていた「古楽」(藤野5-3)に3人で寄った。
 からみ大根冷やかけそば、なす冷やかけそば、豚ごぼうせいろ。みな満足。「また来よう」店になった。店の許しを得て撮った写真は、からみ大根冷やかけそば。
 定休日だったが、客の求めがあったので店を開けたという。
 お盆のときに客の求めで開ける店は、まずいい。帰郷して行く店、待ってくれる店がある幸せ。

 余談だが、わたしは新得町の求めで2年間、まちづくりのアドバイスに通った。シンクタンクをやめて大学もやめ、自由な自営業になって間もないころのことだった。町民のみなさんとの会議の前に、いつも商工観光課の若い職員某がそばを打ってくれた。このそばを越えるそばを知らない。こんな特権つきの仕事を越える仕事を知らない。
 新得町のそばは有名だが、「新得そば」という名称は地元民間企業に商標登録されているので勝手に使えない。それがおいしければいいのだが、必ずしもそうではない。店と売店が国道沿いの寄りやすいところにあるのに残念だ。JR駅周辺のそば屋さんで賑わっているのは湊屋さんだけか。
 隣町の清水町はどうか。M分料は高速道路のインターに近くにあって利用者が多いが、また来ようとはならない。
 この店にかぎらず雰囲気はいいのに味が、という店がそば屋さんに多いのはどうしたことか。

 ついでながら、信州の戸隠でも玄そばが使われているというそばの大国、幌加内町にいいそば屋さんはあるのだろうか。
 秋の大規模なそば祭りが有名だが、いい店があると聞かない。
 以前に寄った旧国鉄駅前のそば屋さんは混んでいたが、わたしの山仲間はみな黙々と喰うだけで、「うまい」の一言はなかった。

 世に知られた名産名品あれど、うまいものとまちづくりはまた別、ということを足で歩いて教わってきたわたしの仕事人生だった。北海道にはうまいもの、いいまちがたくさんあるけれどね。
 まもなく新そばの季節。
 
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by waimo-dada | 2013-08-15 10:25 | 仕事の周辺

札幌の文化芸術基本計画をただいま作成中

 昨日6月18日は朝から書類をひろげて「札幌市文化芸術基本計画起草小委員会」に灰色の脳細胞を総動員した。市民が大きく関わる文化自治に向けて将来の構想をあれこれ描くのは、世のためというのがもちろんあるけれど、この年寄りの脳細胞を活性化させる効果もありそう。が、「わたしたちの仕事に口出ししてほしくない」という役所の反応が予想された。

 文化行政のあり方を根本的に見直す方向に関して、5年後に空間を与えられる全国初のアーツセンターに4つもの市民参画型委員会(円卓会議運営、事業支援、事業評価・政策検討、広報・産業化)を機能させようというわたしの構想は、やはり抵抗を受けた。これまでの基本計画を進化させるための議論の種だがすこし刺激的だったか。しかし、具体的な場面を想定して議論しないと真に必要な基本が見えてこない。

 財政難でますます大変だが自分たちの仕事は聖域にしたい、守りたい。そうでなくても忙しいので負担の大きい仕事はふやしたくない。その気持ち、よくわかる。
 しかし、文化行政に対する時代の要請はふえている。プライドと責任感だけでは公けの仕事を担いきれない時代になっている。おおむね3年で職場職務が変わる職員だけでは専門的な文化行政は荷が重い。納税者からの負託にきちんと応えられない。
 ならば、もっと良い状況をめざして職務を大幅に「外部化」しようというのがフセジマ的単純思考法であり、提案の要である。市民、アーティスト、研究者、芸術文化団体職員など、民間に経験豊かで有用な人材が大勢いる。札幌の強みを生かさない手はない。

 時代の要請とは何か。ざっと整理しておこう。
 わたしが札幌市の最初の文化政策テキスト「札幌市芸術文化基本構想(アンビシャス札幌・21)」(1997.5)の作成をお手伝いした2年間に見知ったことは少なくない。市民、アーティストがおたがいを知らないでいること、文化イベントや助成金のことなど情報に関するニーズがとても大きいことがわかった。そこで、この基本構想では芸術文化に関する交流、情報、振興の拠点として「アートプラザの整備」が取り組むプロジェクトの例として取りあげられた。札幌において小さいながらも初めてアーツセンターの夢が語られた瞬間である。
 市民、アーティスト、自治体がたがいの活動を知り合う。そのような場を文化自治のスタート地点として、いわばプラットホームとして保障することは古くて新しい時代の要請である。

 自治体職員が文化行政のすべてを担えないことは、時代の大きな波を受けてのことでもある。人口の大幅な減少を迎える将来、都市の生き残りと産業の維持発展は若い人々の積極的な関与がなければ望めなくなる。次世代を担う若者・子どもたちを育て、まちをつくるためには、すべての関係者が連携して行動(共創、共育、協働)するほかはない。
 そうした行動、事業を支援する枠組みをオープンにし、利用しやすいように改善することも時代の要請だ。わたしたちのお金と都市の経営資源がどう使われているかを明らかにするために事業の成果・問題・課題をオープンな場で検証し、政策に反映させるという循環的な作業も欠かせない。地味な仕事だけど時代を進化させるのはわたしたち自身だから。

 そうして得た共同の経験と知見(共同知)を創作・学校・町内等の現場に還元する。感動や共感したことのアーカイブ付きで。
 また、市の内外に宣伝して文化芸術の産業化をうながす。文化芸術を基礎にまちづくりと産業の拡大再生産を図ることができるようになれば、まさに都市の自律的発展がかなうことになる。
 しかし、そこで安心しては入られない。いつもプラットホームの上に立ち戻ってたがいを謙虚に知り合う必要がある。

 さて、市民参画とはなんだろう。まず卑近なところから考えてみよう。委員会開催の時間費用は、言葉の正しい意味でのボランティア(自発的)な参画が前提にあるからびっくりするくらい短く、安くすむ。お茶代さえもかからない(わたしはマイボトルなんて言葉がないずっと以前から、札幌の水道水がベースのおいしいコーヒー・お茶持参で会議に参加している。長めの散歩はもちろん、芝居や映画を見るときにもね)。
 なによりも、議論と活動の場が広がり、手応え、やりがいが見えれば市民は元気になる。これが大きい。暮らしが楽しくなるのは消費と鑑賞だけではない。みずから供給する、創る喜びをみんなでもちたい。札幌市中央区北1西1にできる大きな文化施設の一角にそんなにぎやかな場をつくりたい(注.アーツセンターの建設取得費用は約10億円という。再開発事業のコストもかかっているからだろうが小さくない公共投資である)。おもしろい場所ができれば人が集まってくる。内から、外から、海の向こうから。

 まっすぐで誠実な抵抗とそれに対する反論から、章節のわかりやすくて論理的な組み直しまで、約2時間半、いい議論ができたと思う。いまは細かなことを決めなくていい。時代を転換する精神、肚構えが基本計画に明記されればそれでいい。やさしくない話だが。
 まっとうで役に立つ、いい基本計画をつくりたい。その点はみなに共通している。
 この会合の議事録も後日、ネット上に公開される。
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by waimo-dada | 2013-06-19 22:38 | 仕事の周辺

座りきり老人

 春4月になったが仕事がない。
 依頼者が現れない探偵事務所なら少しは絵になるだろうし、依頼者かどうかわからない美女が突然現れてドラマのひとつも始まるだろうに。
 依頼者が現れるコツのようなものを聞きに出かけようか。夜になったら、ススキノのバーにいる作家の東直己さんに。最近は映画がヒットして機嫌もいいだろうから。

 商売替えすることも考えなければならない。
 まちづくりのプランナーです、よろず評論します、なんて言ったってこのご時世、注文があるはずがない。
 ヒマなので考えに考えた。
 そうだ、老人問題の専門家になろう!
 まじめな専門家はたくさんいるのでそうでない専門家。まじめな専門家に相手にされない問題を密かに抱えている老人に耳を傾ける。そんな超専門家になって御神酒の一本もいただける身分になる。

 まずは相手の立場、立ち位置でどんな問題があるのかシュミレートしてみよう。
 たとえば。
 寝たきり老人は山のようにいるだろうが、もしかしたらこんな老人はいないだろうか。“座りきり老人”
 あんまり居心地がいいので再起不能になるのではないかと本気で心配している人が、世の中にいる。うん、絶対いる。

 早速、定年退職者のその後の暮らしを想像してデッサン。事務所のなかに再現して隣室のテディベアに頼んで体験してもらった。
 よさそう。
 次に、自分自身で体験した。
 とてもいい。けど、こわい。
 家族割の携帯電話で家人に連絡すれば淹れたてのコーヒーがやってくる。タダで(見かけは)。
 本を読んで眠くなったら椅子の前の毛布をたぐりよせればいい。
 ほんとうに座りきり老人になりそう。そのうちに根も生えて。
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 急いで立ち上がり、近くの伏見稲荷までジョキングして願掛けをした。
 「どうか、座りきり老人になりませんように」

 家に戻って、カビが生えているかもしれないレコードを取り出した。学生時代にバイトして買った、今から50年前に録音されたバッハの「音楽の捧げもの」。30年以上使っている湿式クリーナーで拭いたら、きれいに鳴った。アルヒーフの輸入盤です(高かった)。
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 人も物も座りきりになって、カビが生え、忘れられていく。
 そんなことになってはいけない。
 座りきり老人になるかもと心配している人に、さ、書を捨てて山に行こう、妻も子も捨てて旅に出よう、と声をかけよう。

 春4月、わたしの人生が変わる、か。
by waimo-dada | 2013-04-06 21:39 | 仕事の周辺

登山靴展の見どころ

 多くの皆様のご協力をいただいて、北海道で初めての「登山靴展」が始まりました。
 歴戦の強者から最新鋭のトレッキングシューズまで21足を展示しています。それだけではありません。出展者のメッセージにそれぞれの時代のa0248862_14265463.jpg
物語があります。

 1958年の京大チョゴリザから1982年北大ダウラギリ、2005年チームホンダのエベレストと、ヒマラヤの高峰を旅した高所登山靴を較べてご覧いただけます。
 また、大学山岳部員のクライミングシューズの隣りには、世界で初めて冬のヒマラヤ8千㍍峰に登った先輩OBがいま愛用している「長靴」が並びます。
 国産の長靴が冬のヒマラヤで大活躍した秘話に、成功の裏にそんなことがあったのかと初めて知ります。
 きびしい条件下の調査を支えた阿部幹雄さんの「南極の靴」も注目されます。
 とにかく出展してくださった方のメッセージが貴重で、おもしろいです。「新旧のキャラバンシューズ」も登山靴展の話題のひとつ。団塊世代など中高年の方が若いころに世話になったキャラバンスタンダードの隣りに最近発売されたばかりの機能的な軽登山靴が並びます。
 入場は無料です。どうぞ「CAFEらてるね」でご覧ください。
by waimo-dada | 2012-04-04 14:34 | 仕事の周辺