N爺の藻岩山麓通信


札幌・藻岩山麓を基地に旅するN爺のブログです(写真は原始ヶ原から富良野岳)
by waimo-dada

本谷から芦別岳へ

 団塊世代のわたしの周辺では「元気なうちに歩きたい山」の話をすることが多くなりました。
「登り残した山」も気になります。ゴールデンウィークの前半に出かけた道北のピッシリ山もそのひとつでしたが、長い林道を歩くところからきつかったです。人生を生きようとするならすこし急ぎなさい。甘くないわよ。そんなメッセージを聞いたような気がします。
 例年より雪が多く長かった冬のせいで連休気分の陽気な山になりません。暗い冬のトンネルの出口でウロウロしているような山旅になるとは思いもしませんでした。なにもかもが冷たく湿気っているのでみんなが大好きな焚き火が燃え出すまで苦労しました(道北の山についてはまた別の機会に)。

 遅くやってきた初夏が歩みを速めたのはその年の季節の結末に辻褄をあわせるためでしょう。
 6月上旬に陽の光がまぶしい芦別岳に行ってきました。夏のおわりに予定するわたしの劔岳の準備山行をかねて、頂上から鋭角的なラインを描いて落ちる第1稜を旧い山の友のTと登る計画です。
 36年ぶりの山。きつい高巻もある沢沿いの道にしごかれてようやくたどり着くと、明るく開いた河畔林に古びた石積みの小屋がそっと現れます。ユーフレ小屋です。河原で焚き火をしました。河原も流木も乾いているので簡単に火がつきました。
 山小屋好きのわたしはのんびりと滞在しながら、若いときのように1稜だけでなく夫婦岩なども登れたらとふと思うこともありましたが、現実はきびしいものになりました。
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 翌朝4時すぎに小屋を出発して9時に登攀を開始。先行パーティーがいたこともあって本谷側の上部から慎重に登路を求め、安全第一に10数ピッチ。「ノーザイルでタカタカ登れるさ」というのは昔のことでした。
 念のため担いでいったハンマー、ハーケン、カラビナの三つ道具とシュリンゲが大活躍。確保のために岩にハーケンを打ち込むなんて想定外でしたが、バランスが悪くなっている体を高みに持ち上げるには安心材料が不可欠でした。心に刻むのは落ちないこと、無理をしないこと、ひるまないこと・・・。これ以上ない天気が味方をしてくれました。
 ザイルのトップを交代しながら3時間近くを要して頂上にたどり着きました。ひ弱なわたしはバテバテ。本谷の雪渓を一気に下るはずのグリセードもくたびれるのでピッケルに体を預けて休み休みです。
 ユーフレ小屋に戻って大休止して共同装備を担ぎ、きびしい沢沿いの道をなんとか歩き通し、無事下山しました。

 山は全身を使って登り降りするものだと痛感しました。体幹、バランス、すべてが確実に劣化しています。老化とはいいません。劣化です。長い間の経験で鍛えたルートファィンディングの力が筋肉力とは無縁に残っていたことが救いでした。

 登攀パートナーのTがヤマレコに記録をアップしましたので興味ある方はどうぞ。友がいてなしえた60代の山登りでした。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-309005.html

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by waimo-dada | 2013-06-12 22:50 | 山と旅
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